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あざらし日記3

「あざらしのおへや」の管理人ゴマスケのアザラシ日記です。海獣関係のテレビ番組の情報や、グッズ、水族館・動物園などの感想をのせています。

2015年度歴史学研究会大会(5/23・土)

歴史学の最大手の学会の一つ
歴史学研究会」が、5月に
慶応大学にて「2015年度歴史学研究会大会」をひらきます。
今年度の「全体会」は、環境史がテーマです。

会員ではない方や、一般市民も参加できます。
ぜひとも足をお運び下さいませ。



  ●2015年度 歴史学研究会大会
    全体会 「環境から問う帝国/ 帝国主義」

  日程:2015年5月23日(土)
  時間:13:00~17:30
  会場:慶応大学 三田キャンパス
      東京都港区三田2-15-45
      →交通アクセスのページ
  報告:1) 上田 信
       「タカラガイ・雲南・帝国」
     2) 水野祥子
       「イギリス帝国の科学者ネットワークと資源の開発・保全」
     3) 藤原辰史
       「帝国日本のエコロジカル・インペリアリズム」
     
  *会場整理費  一般1800円 会員1500円 
            学生(修士課程まで)1000円

託児室のご案内などはこちらのページ



【主旨説明】

委員会から
 「帝国/帝国主義」と「環境」は、
それぞれ,今日の歴史学において盛んに研究されている領域である。
帝国/帝国主義研究では、グローバルな空間を対象に、
さまざまな社会・国家の長期的な趨勢が考察されている。

一方、環境史研究においても、
人間と自然の関係を豊かに解き明かすため、
一国史的枠組みを超えた時空間の把握が求められている。

今回の全体会では、
環境という切り口から帝国/帝国主義を問い直すことで、
世界史と向き合う歴史学の新たな可能性を探りたい。

ここで近年の大会を振り返ると、2002~20044年度には、
グローバリゼーションや
新自由主義的「改革」の進行という状況認識から、全体会が企画された。

これを引き継いだ2008・2009・2012年度大会では、
「新自由主義の時代」のいま、
歴史研究に何ができるかという課題に挑んだ。
そこで提起された「生存」「いのち」に足場をおいて、
新たな研究潮流が産み出されているのは周知のとおりであろう。
2008年度歴史学研究会大会のページ

2004年度の全体会テーマは
「グローバル権力としての「帝国」」であったが、
そこでは帝国本国のヘゲモニーだけでなく、
従属的諸地域における人々の運動を
どのように位置づけるのかが改めて問われた。
2004年度歴史学研究会大会のページ

また2010年度の全体会「いま植民地支配を問う」では、
「植民地責任論」の視座から支配・被支配の関係が多角的に論じられた。
2010年度歴史学研究会大会のページ

これらを踏まえ、今回はあらためて帝国/帝国主義の
支配・被支配にかかわる問題に着目し、
環境という切り口から新たな光を当てることを目指す。
その際、環境史と深いつながりを持つ資源の問題を扱った
2012年6月の特集号「「資源」利用・管理の歴史─国家・地域・共同体─」
(本誌893号)についても、前提をなす取り組みとして踏まえておきたい。
『歴史学研究』893、2012年6月、青木書店

今日、グローバリゼーションは加速し続け、
大国による諸地域への圧制や介入が強化されている。
一部の地域独立運動の高揚や、排他的な国民統合への傾斜は、
グローバリゼーションと表裏をなす動向といえよう。

また,新自由主義のひとつの帰結である市場原理主義は、
経済活動の際限ない発展を志向し、資源の略奪的搾取を引き起こす。
「資源ナショナリズム」という言葉に表されるような、
資源をめぐる国家間の対立や、
「先進国」による「後進国」の過度な資源開発が展開し、
人々の生存を脅かす環境破壊が深刻化している。

グローバリゼーションが資源開発・環境破壊と結びついている状況を踏まえ、
環境という切り口から、不均衡でグローバルな
帝国/帝国主義の権力を問いなおそうとするのが、今回の狙いである。
帝国/帝国主義のもとでの資源の開発・利用は、環境をいかに変容させたのか。
環境が介在することで、
帝国/帝国主義の支配・被支配をめぐって
いかなる課題が浮上し、人々に対応を迫ったのか。

広域的な生態系を包摂する帝国/帝国主義は、
一方でいかなる矛盾をかかえこんだのか。
このように、人間の生存と深くかかわる環境を切り口として
帝国/帝国主義の支配・被支配を再検討することで、歴史学の新たな議論を切り拓きたい。
以上を踏まえ,今回は次の3名の方々に報告をお願いした。

上田信「タカラガイ・雲南・帝国」。
人間と自然を区別して双方の関係を論じる「環境史」に対し、
上田氏は、人間と自然を一体的なシステムととらえる「生態環境史」を提唱し、
東ユーラシアの歴史像を追究してきた。
その成果を踏まえ,前近代の帝国と生態環境について論じる。

水野祥子「イギリス帝国の科学者ネットワークと資源の開発・保全」。
水野氏は、近代イギリス帝国と植民地インドとの関係を、環境の観点から研究してきた。
帝国=グローバルレベルの
森林資源の保護にかかわるイギリス官僚とインド現地政府、
さらには現地習俗との葛藤などを提示する。

藤原辰史「帝国日本のエコロジカル・インペリアリズム」。
藤原氏は,ドイツと日本の農業史を専門とする。
近年の環境史の手法をとりいれ、
とくに食や台所の歴史をとらえ直してきた。
アルフレッド・クロスビー
『エコロジカル・インペリアリズム』(原著1986年)が検討していない、
20世紀日本の生態学的帝国主義を考察する。

以上の3報告からなる本企画は、
前近代と近現代をともに視野に入れ、中国・イギリス・インド・日本などの、
世界的な広がりをもつ諸地域を対象としている。
それにより,帝国/帝国主義の支配・被支配関係の比較検討も可能となる。

帝国/帝国主義や環境に関心を寄せる方々はもとより、
地域や時代を超えて
これからの歴史学のあり方に関心をいだくすべての方々に、
強く参加をよびかけたい。(研究部)



【参考文献】

上田 信 『東ユーラシアの生態環境史』 山川出版社、2006年。
 同上  「タカラガイと文明─東ユーラシア─」
      池谷和信編著
      『地球環境史からの問い─ヒトと自然の共生とは何か─』
      岩波書店、2009年。

水野祥子『イギリス帝国からみる環境史─インド支配と森林保護─』
      岩波書店、2006年。
 同上  「イギリス帝国の森林史」
      社会経済史学会編
      『社会経済史学の課題と展望』
      有斐閣、2012年。

大豆生田稔 『近代日本の食糧政策─対外依存米穀供給構造の変容─』
        ミネルヴァ書房、1993年。

藤原辰史 『稲の大東亜共栄圏─帝国日本の「緑の革命」─』
      吉川弘文館、2013年。
      

       
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